デザインができることの見解

はじめに

「あなたはデザインができるか?」

Webサイト構築の依頼者、あるいは同業者が、質問でたまに使う言葉です。
私にとってこの質問ほど曖昧で、意思疎通を阻害するものはないと考えます。

Webサイト・システム構築をしていない、インターネットに詳しくない方なら仕方ありません。
Webサイト・システム構築の同業者に「デザインができるか?」と的を得ない質問をされたら、質問者の技量は私はなんとなく察しがつきます。

私に対してしていただきたい質問

単に「デザインができるか?」と的を得ない質問をされても、私は即答はできません。
私は何のデザインのことか、質問者がどのような意図を持っているかがわからないためです。

人によってデザインの意味、解釈は違います。
もし曖昧な質問をされたら、正しく回答をするために聞き返します。
相手と噛み合わない質疑応答をしないために、やむを得ないと考えます。
意思疎通や質疑応答の曖昧さを排除し、内容を明確にすることは、仕事を行う上で大切なことです。

下記のいずれかの表現を伴う質問でしたら、回答することが可能です。

質問への回答

画像処理ソフトを使って、デザインカンプを作成できるか?

私はWebサイトの構築手法として、昔には有効だったこのやり方はやっていません。
答えは「できない。」「そもそもしていない。」となります。

デザインカンプは、Webサイト構築における最終成果物ではないので、基本は作る必要はないと考えます。
単にコーディングに対する指示書の役目しかないのであれば、他の手段も存在します。

デザインカンプの内容が綺麗でも、ブラウザで表現できない内容、実現できない内容があるのなら、デザインカンプを作る意味はありません。
(もっとも、デザインカンプ自体がきちんと計算されずに、見た目の感覚依存で作成されたものが殆どです。)

UXデザインはできるか?

UXは今まで全く無学ではなく、自習はしています。
しかし、専門家ではありません。
UXデザインを専門とする人と比べれば、知識、技量、経験は落ちます。

ユーザーインターフェース(UI)デザインはできるか?

対象となる利用者を想定して、構築することは可能です。

インフォメーション・デザインはできるか?

依頼者よりいただいたコンテンツ、あるいは私が考えたコンテンツを元に、情報の優先度の強弱、情報の分割を検討し提示することは可能です。

スタイルシートの設定により、見た目が綺麗なWebサイトを構築できるか?

もちろんできます。
なんとなくの感覚依存ではなく、きとんと数字で計算された内容で構築を行います。
逆に、スタイルシートの設定ができないと、最終成果物であるWebサイトは構築できません。

依頼者の課題、要件を踏まえ、Webサイトで具現化することができるか?

もちろんできます。
Webサイトの依頼者が、結果を出すためのWebサイトを目指しているので、企画段階からの参画を行います。

画像処理ソフトが使えたらWebデザインができるという愚鈍

私は画像処理ソフトである、PhotoshopやIllustratorは使用します。
画像補正、コンテンツ画像素材の作成など、自分で可能な限りのことは行います。

しかし、画像処理ソフトを使用できたらWebデザインができるとは到底思っていません。
未だに勘違いをしてる同業者は、「画像処理ソフトでデザインカンプが作れたら、仕事がお終い!」と考えています。
単にグラフィックを作成するのであれば、グラフィック・デザイナーの仕事の範疇です。

Webデザインとデザインカンプ作成は、作業の名前自体が違います。
「Webデザイン=デザインカンプ作成」という構図に未だに囚われているから、最初から話が噛み合うことは殆どありません。
デザインカンプ作成ならデザインカンプ作成と堂々と言えばいいんですよ。

一方、高い技能や経験を持つグラフィック・デザイナーとでしたら、Webサイトのコンテンツ画像素材の作成にて是非協業したいです。
私が及ばないものを持っているからです。

「デザイン=ビジュアル・デザイン」という暗黙の了解は正しくない

日本人同士で会話をするなら、デザインとはビジュアル・デザインという暗黙の了解が成立することが多いです。
しかし、何でもこの暗黙の了解が成立することはありません。
特にWebサイトなら、要件によってデザインの意味合いが変わります。

そもそもDesignとは和訳で「設計」を意味します。
言葉の意味として「ビジュアル」は存在せず、「ビジュアル・デザイン」と言わないと意味が成り立ちません。

「デザイン」の認識の壁

Webサイトの構築者が「デザイン=ビジュアル・デザイン」という認識を持ち続ける限り、いつまで経っても低次元のまま、会話が噛み合わない、仕事に発展性は見込めません。
ビジュアル・デザインのことしか頭にないのなら、依頼者が抱える問題、依頼者が叶えたいことを実現することは無理です。

Webサイトにはいろいろな事が求められますが、見た目の良さは求められることの1つに過ぎません。
星の数ほどあるWebサイトで、見た目が少し悪くても、依頼者が意図する戦略を踏まえて結果を出しているところは存在します。

依頼者としての戦略は何ですか?
どんな結果を出したいのですか?
このWebサイトですることとしないことを決めていますか?